私はのんちゃん Part.9


9−2

 みんなはノンちゃんの周りに集まった。後ろから枝川が、
「深川さん、どうしたの。」
というのが聞こえた。ノンちゃんはうつむいたまま、
誰に話すというわけでもなく、何とか口を開いた。
「き、気持ち悪い。」
みんなは小さく3歩ほど下がった。みんなはどうしようと
そうこうしているうちに、顧問の先生が来てくれた。
テニスコートを人目見て事態を察した先生は、
ノンちゃんに声をかけた。
「おい、深川、どうした。」
「は、はきそうです。」
先生は軽く1歩下がった。
みんながエビのようにぐんぐんと下がろうとしていく中で、
ノンちゃんは意識が薄れながらも考えていた。

今の状態もやばいけど、もし、ここでゲロ事件なんて起こしたら、
もっとやばいよ。明日から学校に来られなくなっちゃうよ。


と、ノンちゃんが自分の今後のことを必死に
心配しているかたかわら、
テニス部のみんなと先生は今現在の事態を
何とかしようと努力していた。
「おい、誰か、深川を保健室まで連れてってやれ。」
という先生の声と共に、ノンちゃんは誰かに
手を引っ張られるようにして起こされた。

BACK   NEXT