私はのんちゃん Part.9


9−1

 気持ちはどうであれ、今日はノンちゃんの誕生日。
晴れて16歳。
夏休み中に誕生日を迎えるため、ノンちゃんは今までに友達から
祝福されることが少なかった。それでも今日は部活があるから、
少なくとも部活の1年生6人からおめでとうって
言われることができる。
しかも部活が終ったら、6人みんなが浦安のマックで誕生日をやろう
と言ってくれた。
この日ばかりはノンちゃんも機嫌よく学校に登校した。
学校に着いたノンちゃんは、期待通り1年生みんなから
おめでとうと言われた。
ノンちゃんの言葉はありがとうの連続で、
今年1番の嬉しい日だった。
しかも、この後みんなからのバースデーパーティーが
待っているかと思うと、
一段と嬉しさが増していた。
ノンちゃんは早く部活が終ってほしいなと思いながら、
真夏のかんかん照りの中で、ボレー練習をしていた。
2、3回ほどボレーをした後だった。
ノンちゃんがボレーをする番になって、ネットの前に立つなり、
ノンちゃんは急にガクッと座り込んだ。

あれっ。どうしたんだろう。なんか、目の前が、暗い。気持ちも悪い。

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