私はのんちゃん Part.8


8−3

一安心したノンちゃんは、2人が完全に自分の視界から
離れたことを確認してから、
切符を買って東西線のホームへと階段を上っていった。
電車に乗ったノンちゃんは2人が行った方向を考えた。
 
駅のあっち側って何かあったかな。変な小さな店ばっかりじゃん。
高校生の行くとこなんてないんじゃないの。あっ、思い出した。
確かビルの1階に 少し大きな本屋があったけ。
そうか。2人で読書感想文の本を探しに行った
んだな。本当は私と一緒に行くはずだったのに。
あの時、もう少しきちんと会話しておけばよかったな。

と、悔しい気持ちが強くなっていった。
家に帰ったノンちゃんは切なく、情けなさを感じていた。
自分のことを、いや自分のことしか見ていないと信じていた人に
裏切られた気持ちでいっぱいだった。
ノンちゃんは今までの中島との会話を思い出すと、
中島に対して少しプンという感情をもった。

中島先輩なんて、大嫌い。そもそも千葉県民じゃないの。
去年も塾の先生が千葉県民だったけど、変な先生だったもんな。
まったく都民をなんだと思っているのよ。

と、やるせない気持ちをなぜか千葉県民に当たるのだった。

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