私はのんちゃん Part.8
一安心したノンちゃんは、2人が完全に自分の視界から 離れたことを確認してから、 切符を買って東西線のホームへと階段を上っていった。 電車に乗ったノンちゃんは2人が行った方向を考えた。 駅のあっち側って何かあったかな。変な小さな店ばっかりじゃん。 高校生の行くとこなんてないんじゃないの。あっ、思い出した。 確かビルの1階に 少し大きな本屋があったけ。 そうか。2人で読書感想文の本を探しに行った んだな。本当は私と一緒に行くはずだったのに。 あの時、もう少しきちんと会話しておけばよかったな。 と、悔しい気持ちが強くなっていった。 家に帰ったノンちゃんは切なく、情けなさを感じていた。 自分のことを、いや自分のことしか見ていないと信じていた人に 裏切られた気持ちでいっぱいだった。 ノンちゃんは今までの中島との会話を思い出すと、 中島に対して少しプンという感情をもった。 中島先輩なんて、大嫌い。そもそも千葉県民じゃないの。 去年も塾の先生が千葉県民だったけど、変な先生だったもんな。 まったく都民をなんだと思っているのよ。 と、やるせない気持ちをなぜか千葉県民に当たるのだった。 |