私はのんちゃん Part.8


8−2

ノンちゃんは中島を見つけると、
自分の胸がものすごい勢いでドキドキして、
顔が真っ赤になっているのが自分でも分かった。
ノンちゃんは早足で中島に近づいていった。
ノンちゃんは足のテンポをだんだん速くしていって、
普通の声の大きさで呼べば中島が振り返ることが
できる距離にまで追いついた時、ふと気がついた。
中島の隣に私服の女の子が並んで歩いている。
ノンちゃんはテンポを緩めた。
私服の女の子は中島と楽しそうに話をしながら
手をつなぎ始めた。
枝川先輩だった。
ノンちゃんも私服だったせいか、2人は後ろのノンちゃんに
気がついていない。
とは言っても2人がいつ自分に気がつくか分からない。
ノンちゃんは間の悪そうなこの場からなるべく
早く離れたかった。
どうしようと思って歩いていると、
駅の正面まで来てしまっていた。
しかしノンちゃんの心配とは反対に、
2人は電車に乗るのではなく、
そのまま駅を突き抜ける道を通って、
交差する道路に沿って右の
方向に曲がって行った。

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