私はのんちゃん Part.6


6−1

 次の日からノンちゃんは中島を少し意識するようになった。
特に部活の時になれば、中島がいるかどうかを少なくとも確認するようになった。
しかし、実際の2人の展開はそれほどはなかった。
ノンちゃんの方は気持ちが少し動き出していたとはいえ、
学校の中で中島に会ったとしても、「こんにちは」とあいさつしかできなかったし、
中島の方も「よう」としか返事をしてくれなかった。
そういう展開ではあったが、ノンちゃんにはそれほど不満であるとは思わなかった。
もともとノンちゃんの方が好きというわけではない。
ノンちゃんを好きだと思っている中島がノンちゃんをどう見ているのかが
気になっているだけにすぎないのである。
要は中島と付き合いたいというより、彼氏というものがほしい、
ただそれだけなのである。

ノンちゃんがそんなふうに思いながらも、夏休みに入った。
夏休みの部活はだいたい午前中から始まって、昼ぐらいで終る。
だから部活が終れば遊べる時間はたっぷりとある。
ただ、ノンちゃんにはこのスケジュールはあまり納得しなかったようだ。
というのは、女子の練習の後、男子が練習することになる。
ということはノンちゃんは中島に会うことができない。
中島との展開にそれほど不満がないものの、会えない期間が長すぎる。
第一、夏休みなのに朝早く起きなければならない。
実はノンちゃんは朝に非常に弱い。

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