私はのんちゃん Part.4
最初2人は無言だった。と言っても、 中島が口の中におにぎりが 入っている以上会話できない状態だった。 しかし、中島は口の中に入っていたおにぎりを 一気に飲み込むと、 再びノンちゃんに話しかけた。 「深川、お前、兄弟はいるのか。」 中島は女の子と話をすることにあまり慣れていないらしい。 初々しい話のきり出し方である。 「ええ、はい。お姉ちゃんが2人。」 「ふーん。じゃあ、3人姉妹か。」 「はい。背は1cmずつ違うんですよ。」 と、ノンちゃんの方も何の意味のない特徴を言う。 「そうなんだ。変だね。一番上のお姉さんって いくつの人なの。」 「23歳です。ひょっとしたら、結婚するかもしれないんです。 でも、お父さんに反対されて大変なんですよ。」 「なんで。」 「20代前半なら結婚は考える歳だけど、する歳じゃないって、 この間なんて怒鳴って、お姉ちゃん大泣きしていました。」 「へえー、大変だね。」 と、中島は言葉と顔は深刻そうだが、もう一つのおにぎりの 袋を開けにかかっていた。多分高校生の中島には興味のない 話なのだろう。 また、内容もあまり立ち入って聞いてはならない 感じであることを察したのかもしれない。 中島は話題を変えてきた。 |