私はのんちゃん Part.4


4−2

 最初2人は無言だった。と言っても、
中島が口の中におにぎりが
入っている以上会話できない状態だった。
しかし、中島は口の中に入っていたおにぎりを
一気に飲み込むと、
再びノンちゃんに話しかけた。
「深川、お前、兄弟はいるのか。」
中島は女の子と話をすることにあまり慣れていないらしい。
初々しい話のきり出し方である。
「ええ、はい。お姉ちゃんが2人。」
「ふーん。じゃあ、3人姉妹か。」
「はい。背は1cmずつ違うんですよ。」
と、ノンちゃんの方も何の意味のない特徴を言う。
「そうなんだ。変だね。一番上のお姉さんって
いくつの人なの。」
「23歳です。ひょっとしたら、結婚するかもしれないんです。
でも、お父さんに反対されて大変なんですよ。」

「なんで。」
「20代前半なら結婚は考える歳だけど、する歳じゃないって、
この間なんて怒鳴って、お姉ちゃん大泣きしていました。」

「へえー、大変だね。」
と、中島は言葉と顔は深刻そうだが、もう一つのおにぎりの
袋を開けにかかっていた。多分高校生の中島には興味のない
話なのだろう。
また、内容もあまり立ち入って聞いてはならない
感じであることを察したのかもしれない。
中島は話題を変えてきた。

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