■ Hello School 古典 文法 動詞 練習問題 ■
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1.次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

 木曾殿は信濃より、巴・山吹とて、二人の美女を具せられたり。
山吹は、いたはりあつて、都にとどまりぬ。中にも巴は、色白く
髪長く、容顔まことにすぐれたり。ありがたき強弓、精兵、馬の上、
かき立ち、打ち物持つては鬼にも神にも会はうどいふ一人当千
のつはものなり。究竟[くっきょう]の荒馬乗り、悪所落とし、いくさとい
へば、さねよきよろひ着せ、大太刀・強弓持たせて、まづ一方の
大将には向けられけり。度々の高名、肩を並ぶる者なし。されば
このたびも、多くの者ども落ち行き討たれける中に、七騎がうち
まで巴は討たれざりけり。木曾は長坂を経て丹波路へおもむくと
も聞こえけり。龍花越えにかかつて北国へとも聞こえけり。かかり
しかども、今井が行くへを聞かばやとて、瀬田の方へ落ち行くほど
に、今井の四郎兼平も、八百余騎で瀬田を固めたりけるが、わづ
かに五十騎ばかりに討ちなされ、旗をは巻かせて、主のおぼつか
なきに、都へG取つて返すほどに、大津の打出の浜にて、木曾殿
に行き会ひ奉る。お互ひ中一町ばかりよりそれと見知つて、主従
駒を速めてより会うたり。木曾殿、今井が手を取つてのたまひける
は、「義仲、六条河原でいかにもなるべかりつれども、なんぢが
行くへの恋しさに、多くのかたきの中を駆け割つて、これまでは
のがれたるなり。」今井の四郎、「御諚[ごじょう]まことにかたじけなう
候。兼平も瀬田で討死つかまつるべう候ひつれども、御行くへの
おぼつかなさに、これまで参つて候。」とぞ申しける。木曾殿、
「契りはいまだ朽ちせざりけり。義仲が勢は、かたきに押し隔てら
れ、山林にはせ散つて、この辺にもあるらんぞ。なんぢが巻か
て持たせたる旗、掲げさせよ。」とのたまへば、今井が旗をさし掲
げたり。京より落つる勢ともなく、瀬田より落つる者ともなく、今井
が旗を見つけて、三百余騎ぞはせ集まる。木曾大きに喜びて、
「この勢あらば、などか最後のいくさざるべき。ここにしぐらうで
見ゆるは、たが手やらん。」「甲斐の一条の次郎殿とこそ聞こえ
候へ。」「勢はいくらほどあるやらん。」「六千余騎とこそ聞こえ候
へ。」「さては、よいかたきござんなれ。同じう死なば、よからうか
たきに駆け合うて、大勢の中でこそ討死をもめ。」とて、まつ先
にこそ進みけれ。
(平家物語・木曾の最後)
(1)下線部A〜Jのまでの動詞の種類と活用形を答えなさい。

(2)下線部ア〜ウの「せ」で文法上、異なるものを記号で答えなさい。

(3)本文を通じて、作者が最も表現したかったことは何か。次の中
 から選び、記号で答えなさい。

 ア.巴の容姿の美しさと勇敢な活躍。
 イ.平家方の戦力の衰退の様子。
 ウ.討死して一生を終えようとする武士としての生き方。
 エ.義仲と兼平の強固たる主従関係。

解答
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