私はのんちゃん Part.12
「おい、深川。」 「えっ、あ、はい。」 ノンちゃんは自転車のハンドルを 両手で握りながら 中島の方を振り向いた。 中島はノンちゃんの方に近づいてきた。 「深川、お前、誰かと付き合っているのか。」 「え、いえ、別に。どうしてですか。」 「いや、まあ、ただ単に聞いてみただけだよ。」 「はあ、そうですか。」 「ああ、それじゃな。」 そう言って、中島はさっさと店の中に 入って行ってしまった。 ノンちゃんは、この人はもうあきらめなくちゃ いけないんだと自分に言い聞かせようとしたが、 ちょっぴり淡い期待をもたせる会話ができたことに なぜか機嫌良く舞浜駅に向かえることができた。 |