私はのんちゃん Part.11


11−1

 自分が嫌だなと思っていることは、結構その場に
居合わせてしまうものである。
部活が終って、ノンちゃんはジュースを売っている
自動販売機のある校舎まで行く途中で、
中島と枝川が話をしている姿が見えた。
ノンちゃんは2人が一緒にいるところを見たくはなかったが、
話の内容だけはなぜか気になった。
ノンちゃんは2人が見えないように、校舎の角に隠れた。

「ねえ、ヒロ君。」
「ん、何。」
「うん、この間話したCD、聞いて
くれたのかな、と思って。」

「ああ、昨日買ってきたよ。」
「どうだった。」
「うん、いい曲だったよ。」
「そう、よかった。」

ここまでは2人の会話のテンポが良かったが、
少し沈黙が続いた。枝川はそれを嫌ったか、
分かりきったような話を持ち出した。















え、やだ、ヒロ君だって。変な呼び方。
なんか、だっさ-い。


なんのCDだろう。


だから、なんっつ〜曲なの?



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