私はのんちゃん Part.7


7−3
そこでノンちゃんはあることを考えた。
名づけて、
浦安駅で偶然に会う
作戦である。
確かに中島に会ったり、話をするチャンスは学校の中とか、
部活の帰りなど、いくらでもある。
しかし、それは中島がノンちゃんの彼氏になった後のことであって、
もし、他の人が自分の気持ちを知りながら、
ふられたなどしてしまったら、
恥ずかしいの極まりないことになってしまう。
まずは誰にも知られずに行動するのが無難である。
ノンちゃんは次の日から早速実行に取り掛かった。
ノンちゃんは午前中で部活が終ると、
浦安駅まで自転車を飛ばした。
駅に着くと、切符は買うもののすぐにホームへの
階段を上がろうとはせず、大手町方面の電車から
降りてくる人たちが来たところで
ゆっくりと階段を上っていくのであった。
そこで中島に会うはずだった。
しかし現実はそう甘くはない。真夏の炎天下の中、
3日間も飽きもせずやってみたが、
どういうわけか中島は現れなかった。
3日目の帰り、ノンちゃんは心の中でこうつぶやいた。

あーあ。中島先輩、来てくれないかな。それにしても、あ、あつい。

東西線の定期を持っていない
ノンちゃんのおこずかいは減る一方であった。

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