■ アリとキリギリス 21世紀Version ■
21世紀の童話はこんなふうになっちゃうんだね。
 自分の近くに、雪にうずもれかけていたキリギリスがいたのだ。

 「ん?なんだ、キリギリスか。
夏の間、あれだけ何もしていないお前じゃ、確実にこうなる運命だよなぁ。
まぁ、自業自得ってわけだ。」

と言っても、この自分も他人をとやかくと言える立場ではないが、悔し紛れに言ってみた。
どうせもう死んでいる。言い返されることもなかろう。

 「アリよ…。」
えっ!まだ生きているのか?
かすかな声だが、重たくしっかりとした声で話しかけてきた。
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