小説 hello学校の怪談 (中学校編) 4/21


 普段は全然これといって何とも思わないのに、あまりにも静か過ぎるこの雰囲気は恐かった。
それでもみんなは、静かに音を立てないようにして、自分たちの席についた。
ここでyousuke先生の指示があったからだ。

 それは、夜に授業をしていると、火の玉が現れるらしい。
あらかじめ、みんなで話し合っていたことを、実行し始めた。
 カバンから国語の教科書を取り出して、廊下側の席に座っている生徒から、1人30秒間ずつ、
席を立って、声は出さないものの、教科書を読む振りをしていった。

 どんどん時間が経っていき、窓側の席に順番がまわり、とうとう、一通り終わってしまった。
しかし、周りには何の変化もない…。
小さい声があがった。
「ダメかな?」
隣が答える。
「本当の授業じゃないからかな?」

 みんな、シ〜ンと静まった。と、その時だった。

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