小説 hello学校の怪談 (高校編) 8/21


 みんな、恐さを我慢していた。握っていた手が強くなってきたので、
気持ちが伝わってきた。女の子は下を向いて、目をつぶっているようだ。
 
 我慢できそうにないくらいになった時だった。
自分たちがいる所よりも、少し離れたところで、大きな声が響いた。


その声に、こっちの誰かがつられるようにして大きな声を出した。
「キャ〜!」

さらに別なところからも悲鳴が聞こえる。
「うわ〜!」

みんなはそうした声に、小さいが声をだして、ややざわつき始めた。
騒然としている中、不思議に思った。いろいろなところから声が聞こえるのだ。
みんなよりも大きな声を出して、統制をとり始めた。
「ちょ、ちょっと待った〜!」
「なに、なに、誰かいるの?」
「ど〜なってんだ?」
 パニック状態の中、体育館の電気が急についた。

前のページへ  次のページへ