小説 hello学校の怪談 (高校編) 5/21


 みんなで音楽室に入る。
真っ暗な教室に、音楽家の顔だけの絵が無気味に思えた。

「なんか、いかにも出てきそうな感じだね。」
「先生の話だと、ここで校歌を弾くと出てくるって言ってたよな。」
「じゃ、弾いてみようよ。」

「って、誰が弾くのよ?まだ決めてなかったわよね。」
「さきんコでしょ。」
「えっ!私なの?なんで?ピアノは弾けないよ〜。」
「でも、吹奏楽だろ。俺らよりは上手いはずじゃん。」
「無理だよ〜。」
「いいから、弾いてよ!」


というわけで、しぶしぶ、さきんコが弾くことに。

ぎこちなく弾いていると、えるが窓の方を向いて、呼びかけた。
「おい、なんだあれ?」
全員、窓の外を見に集まった。

 音楽室の窓からは小学校の校舎が見える。3階の一番手前が理科室になっている。
なにやら、生徒たちが何か実験をしている姿のように見えた。
「あっちに誰かいるのかな?」
「いるわけないじゃん。いたら、ちゃんと電気ついてるわよ。」
「もっと、よく見てみろよ。」
「よく見えないわ。でも、人がいるみたい…。なんか火がついている。」
「で、で、でた〜!」
「しっ!声でかいよ、あんた!」

「yousuke先生の言ってたこと、本当だったんだ〜!」
「もう怖いよ〜。帰ろうよ〜。」
「何言ってんの。まだ入ったばっかじゃん!」
「そうだよ。まだまだ、がんばろうよ。」
「で、次はどこに行くの?」
「体育館だよ。」
「そう、かんばろうね。」
「うん。」


 みんな、高校の校舎を出て、体育館へ。
校舎から体育館に行くには、一度は必ず外に出ないと行けない。冷たい風が体全体に感じて、
ものすごく寒かった。

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