|
にて |
…時・場所・手段・方法・材料・原因・理由を示し、体言・連体形に接続する。 |
(1)時・場所…時や場所・年齢を示す。 [〜で 〜のときに] 京にてうまれたれし女児、国にてにはかに失せにしかば、(土佐日記・一二月二七日) (京都で生まれた女の子が、任国(土佐)で急に亡くなってしまったので、)
(2)手段・方法・材料…手段や方法・材料を示す。[〜で 〜によって] 白き虫の、孔ごとにさし出づるを毛抜きにて抜けば、(宇治拾遺物語・二−七) (白い虫が、穴ごとに出てくるので、それを毛抜きで抜くと、)
(3)原因・理由…原因や理由を示す。[〜ので 〜によって] 何ばかりのあやまちにてかこの渚に命をば極めむ(源氏物語・明石) (何の罪によってこの渚で一生を終えるというのであろうか) |
|
※「にて」の識別 |
|
・現代語訳で「で」→格助詞の「にて」 深き川を舟にて渡る。(更級日記) (深い川を舟で渡る。)
・現代語訳で「であって」→断定の助動詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「て」 月の都の人にて、父母あり。(竹取物語・かぐや姫の昇天) (月の都の人であって、父母もそこにいます。)
| | |
|