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…主格・連体修飾格・同格・準体法・比喩の関係をもち、体言・活用語の連体形に 接続する。 |
(1)主格…主語になる。 [〜が] 大宮のいとゆかしげにおぼしたるもことわりに、心苦しければ、(源氏物語・乙女) (大宮が(式を)とても見たいと思うのはもっともで、気の毒なので、)
(2)連体修飾格…連体修飾語になる。 [〜の] 達人の人を見る眼は、すこしも誤る所あるべからず。(徒然草・一九四段) (ものの道理を悟りきっている人の人を見る目は、少しも間違うところがあるはずがない。)
(3)同格…同格となる。 [〜で] 白き鳥の嘴[はし]と脚と赤き、鴫[しぎ]の大きさなる、水のうへに遊びつつ魚をくふ。(伊勢物語・九段) (白い鳥で、くちばしと脚が赤く、鴫くらいの大きさの鳥が水の上で魚を食べている。)
(4)準体法…体言の代用になる。 [〜のもの 〜のこと] 草の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし。(枕草子・六七段) (草の花は撫子がいい。唐のものは言うまでもなく、大和のものもとても素晴らしい。)
(5)比喩…比喩に用いられる。[〜のように] 世になくきよらなる玉の男皇子さへ生まれたまひぬ。(源氏物語・桐壺) (世にまたとない気品のある玉のような皇子までもお生まれになった。) | |
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