しむ |
芸はこれつたなけれども、人の耳をよろこばしめむとにはあらず。(方丈記) (芸については下手であるが、聞く人の耳を喜ばせようとものではない。) |
[未然] |
この幣の散る方に、御船すみやかにこがしめたまへ。(土佐日記・一月二六日) (この幣の散る方へ、御乗船を速やかに進ませてください。) |
[連用] |
めでたき祝ひの中に、涙を流し心を痛ましむ。(平家物語・厳島御幸) (めでたいお祝いの中であっても、涙を流して心を痛ませた。) |
[終止] |
たがためにかを心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。(方丈記) (誰のために心を悩ませて、何のために目を喜ばさせるのだろうか。) |
[連体] |
皆取り出だして食はしむれば、(今昔物語・二六−九) (全部取り出して食べさせると、) |
[已然] |
仙の力をもって空より飛ばしめよかし。(今昔物語・一一−二四) (仙人の神通力で空を飛ばさせよ。) |
[命令] |