まほし |
くつは虫などの心ちして、うたて、け近くきかまほしからず。(枕草子) (クツワムシのような感じがして、嫌で、間近では聞きたくない。) |
[未然] |
いと恋しければ、いかまほしく思ふに、(更級日記) ((乳母が)大変に恋しいので、(お見舞いに)いきたいと思っていると、) |
[連用] |
わが宗なれば、さこそ申さまほしかりつれども(徒然草・二二二) ((仏教は)自分の宗派なので、そのように(念仏こそ最善)申し上げたったのですが、) |
[連用] |
いかなる人なりけん、尋ね聞かまほし。(徒然草・四三段) (どのような人なのだろう。尋ね聞きたいものである。) |
[終止] |
少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。(徒然草・五二段) (些細なことであっても、その方面を先導する人はあってほしいものである。) |
[連体] |
あらまほしかるべき御ことどもを、(源氏物語・総角) (ぜがひでもあってほしいような良縁であるのに、) |
[連体] |
愛敬ありて、言葉多からぬこそ、飽かず向かはまほしけれ。(徒然草・一段) (愛らしく、言葉数が多くない人と、飽きることなく対面したいものだ。) |
[已然] |