まじ |
人のたはやすく通ふまじからむところに、(堤中納言物語・よしなしごと) (人が簡単に通らないであろう所に、) |
[未然] |
かの国人、聞き知るまじくおもほえたれども、(土佐日記・一月二〇日) (あちらの国の人は、(和歌を))聞いてもわからないだろうと思われましたが、) |
[連用] |
御前渡りのおぼつかなきにこそ、なほえ堪へてあるまじかりけれ。(枕草子・一四三段) (中宮様の身の回りのことが気がかりで、堪えることができないにちがいないのであった。) |
[連用] |
雀などのやうに常にある鳥ならば、さもおぼゆまじ。(枕草子・四一段) (雀のようないつでもどこでも見られる鳥であれば、そうは思われないだろう。) |
[終止] |
わが身こそは、え生きとまるまじき心地すれ(源氏物語・夕顔) (わが身は生き長らえられそうにない心地がするので、) |
[連体] |
冬枯れの気色こそ秋にはをさをさおとるまじけれ。(徒然草・一九段) (冬枯れの気色は秋と少しも引けをとらないであろう。) |
[已然] |