■ Hello School 古典 文法 助動詞 まし ■
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まし 反実仮想ためらいの意志推量の意味をもち、特殊型の活用で、活用語の未然形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
まし (ませ)
ましか
まし まし ましか 特殊型

(1)反実仮想…[もし〜としたら〜だろう]
まし これほどの詩を作りたらましかば、名をあげてまし。(十訓抄・一〇−三)
 (これ(和歌と同じくらい)ほどの漢詩を作っていたならば、評判を上げていただろう。)
 
[未然]
この風いましばしやまざりしかば、潮上りて残る所なからまし(源氏物語・明石)
 (この風がもう少し止まずに吹いていたならば、高潮にのまれて残らず流されていただろう。)
 
[終止]
わが身一つならば、安らかならましを、(更級日記)
 (自分の身が一つであれば、不安がないのであろうが、)
 
[連体]
そのききつらむところにて、ことこそは、詠まましか(枕草子・九九段)
 (その(ほととぎすの声を)聞いたと言う場所で、すばやく歌を詠めばよかっただろうに。)
[已然]
※反実仮想の形
―ましかば―まし
 やがてかけこもらましかば、くちをしからまし(徒然草・三二段)
  (すぐに家の中に入ってしまったならば、どんなに残念なことであろう。)

―ませば―まし
 わが背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪のうれしからまし(万葉集・八−一六五八)
  (夫と一緒に二人で見れたならば、この降る雪はどんなにかうれしかったことであろう。)

―せば―まし
 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(伊勢物語・八二段)
  (世の中に全く桜というものがなかったならば、春を想う人の心はさぞのんびりとしていることであろう。)

―ば―まし
 障りにあるものを、もしとだに聞か、何を思はまし(蜻蛉日記)
  (体調に差し障りががあるので、もしかしたら(行けない)とだけ聞いていたら、何も心配していなかっただろうと)

(2)ためらいの意志…[〜うかしら・できれば〜したい]
まし これになにを書かまし(枕草子・三一九段)
 (これに何を書こうかしら。)
 
[終止]
賀茂河にや落ち入りなましなど思へども、(宇治拾遺物語・六−六)
 (できれば加茂川に飛び込んで死んでしまいたいと思うけれど、)
[連体]
※ためらいの意志の形
ためらいの意志・希望を表す場合、「や」「か」「いかに」「なに」などの疑問の語を伴う。

(3)推量…[〜だろう]
まし うららかに言ひきかせたらんは、おとなしくきこえなまし(徒然草・二三四段)
 (隠し立てなく言い聞かせたならば、穏やかに聞こえただろう。)
 
[終止]
かならずさるさまにてぞおはせまし(源氏物語・宿木)
 ((姫君が生きておられたら)きっとそういう尼姿でいらっしゃったであろう。)
[連体]
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