■ Hello School 古典 文法 助動詞 む ■
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む(ん) 推量意志適当勧誘婉曲仮定の意味をもち、四段型の活用で、
 活用語の未然形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
む(ん)
(ん)

(ん)
四段型

(1)推量…[〜う・〜だろう]

(ん)
懈怠の心あることを知らや。(徒然草・九二段)
 (怠けた心が生じることを知らないだろうか。)
 
[終止]
夕には朝あらことを思ひ、朝には夕あらことを思ひて(徒然草・九二段)
 (夕方には明日の朝があるだろうと思い、朝には夕方があるだろうと思って)
 
[連体]
春ごとに花のさかりはありなどあひ見む事は命なりけり(古今集・春上)
 (春が来るごとに花の盛りはあるのだろうけれど、その盛りを見るのは命あってのことだなぁ。)
[已然]

(2)意志…[〜う・〜よう]

(ん)
二つの矢、師の前にて、一つをおろそかにせと思はんや。(徒然草・九二段)
 (二本の矢を師匠の前で、その一本をいい加減にしようと思うだろうか。)
 
[終止]
かさねてねんごろに修せことを期す。(徒然草・九二段)
 (もう一度、十分に修めようと決心する。)
[連体]

(3)適当…[〜がよい]

(ん)
心づきなき事あらん折は、なかなかそのよしをも言ひて(徒然草・一七〇段)
 (気のりしない事があるような時は、かえって客に言ってしまうのがよい。)
 
[終止]
命長くとこそ思ひ念ぜ(源氏物語・桐壺)
 (長生きしようと思って我慢すべきです。)
[已然]

(4)勧誘…[〜しませんか]

(ん)
忍びては参りたまひなや。(源氏物語・桐壺)
 (こっそりと参内なさいませんか。)
[終止]
※適当・勧誘の意味で使われる「む」は「こそ〜め」「てむ」「なむ」の形で用いられることが多い。

(5)婉曲…[〜ような]

(ん)
「いましばしけふは心しづかに」など言はは、(徒然草・一七〇段)
 (もう少し(いて下さい。)今日はゆっくり(話しましょう)などというような場合は)
[連体]

(6)仮定…[〜であろう・〜としたら]

(ん)
思わむ子を法師になしたらこそ心ぐるしけれ。(枕草子・七段)
 (かわいいと思うような子を法師にしているとすれば、それは痛々しいことだ。)
[連体]
※婉曲・仮定の意味で使われる「む」は連体形で用いられる。
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