■ Hello School 古典 文法 助動詞 たり(完了)■
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たり 完了存続の意味をもち、ラ変型の活用で、活用語の連用形に、つく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
たり たら たり たり たる たれ たれ ラ変型

(1)完了…[〜た・〜してしまった]
たり 比叡の山を二十ばかり重ねあげたらんほどして(伊勢物語・九段)
 (比叡山を20ばかり積み上げたような高さで)
 
[未然]
もとよりおもしろくて、書きつけて持たれたりけるなめり。(十訓抄・一−三六)
 (もともと(その歌が)おもしろくて、ちり紙に書きつけて持っておられたようだ。)
 
[連用]
まさしく見たりと言ふ人もなく、そらごとと言ふ人なし。(徒然草・五〇段)
 ((鬼を)本当に見たという人もなく、嘘だと言う人もいない)
 
[終止]
奉りあつめたる物、千捧ばかりあり。(伊勢物語・七七段)
 (集められた供物は千捧げほどあった。)
 
[連体]
しれ者は走りかかりたれば、おびえまどいて御簾のうちに入りぬ。(枕草子・九段)
 (ばかもの(犬の翁丸)は走りよって飛びかかったので、(猫の命婦のおとど)はびっくりして
  うろたえて御簾の中に入ってしまった。)
[已然]

(2)存続…[〜している・〜してある]
たり さのみやはこもりたらんとする。(枕草子・一八四段)
 (そのようにこもってばかりいることはありません。)
 
[未然]
重き鎧の上に、重き物を負うたりいだいたりして(平家物語・能登殿最後)
 (重い鎧の上にさらに重いものを載せたり抱えたりして)
 
[連用]
その松の数いくそばく、いくちとせ経たりと知らず。(土佐日記・一月九日)
 (この松原の松は数がとのくらいあって、何千年経っているのかはかり知れない。)
 
[終止]
うつくしきもの、瓜にかきたるちごの顔。(枕草子・一五一段)
 (かわいらしいもの、瓜に描いた子供の顔。)
 
[連体]
人みな寝たれば、海のありやうも見えず。(土佐日記・一月十一日)
 (人々はまだ寝ているので、海の様子もわからない。)
 
[已然]
これしばし持ちたまひたれ(大鏡・兼家伝)
 (これをしばらくお持ちになっていなさい。)
[命令]
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