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梅が香を袖に移してとどめてば春は過ぐともかたみならまし(古今集・春上) (梅の香を袖に移して留めたならば、たとえ春が過ぎても、この香が春の思い出の形見となるのだろう。) |
[未然] |
思ひのほかに、御髪おろし給うてけり。(伊勢物語・八三段) (意外にも、お髪をお切りになってしまった。) |
[連用] |
所なくなみゐつる人も、いづかたへか行きつらむ、(徒然草・一三七段) (すき間なく並んでいた人たちも、どこにいってしまったのだろう) |
[終止] |
わづらはしかりつる事はことなくて、やすかるべき事はいと心ぐるし。(徒然草・一八九段) (難儀だと思うことは無難にすみ、簡単だと思うことは心を悩ます。) |
[連体] |
よくも心得ぬことを、あしざまに難じつれば、(十訓抄・四−序) (よく心得ていないことをいかにも悪いことのように非難してしまうと、) |
[已然] |
われ、物握りたり。いまは下ろしてよ。(竹取物語・燕の子安貝) (私は何か握ったよ。すぐに下ろしてくれ。) |
[命令] |