■ Hello School 古典 文法 助動詞 つ ■
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完了強意並列の意味をもち、下二段型の活用の連用形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
つる つれ てよ 下二段型

(1)完了…[〜た・〜してしまった]
梅が香を袖に移してとどめば春は過ぐともかたみならまし(古今集・春上)
 (梅の香を袖に移して留めたならば、たとえ春が過ぎても、この香が春の思い出の形見となるのだろう。)
 
[未然]
思ひのほかに、御髪おろし給うけり。(伊勢物語・八三段)
 (意外にも、お髪をお切りになってしまった。)
 
[連用]
所なくなみゐつる人も、いづかたへか行きらむ、(徒然草・一三七段)
 (すき間なく並んでいた人たちも、どこにいってしまったのだろう)
 
[終止]
わづらはしかりつる事はことなくて、やすかるべき事はいと心ぐるし。(徒然草・一八九段)
 (難儀だと思うことは無難にすみ、簡単だと思うことは心を悩ます。)
 
[連体]
よくも心得ぬことを、あしざまに難じつれば、(十訓抄・四−序)
 (よく心得ていないことをいかにも悪いことのように非難してしまうと、)
 
[已然]
われ、物握りたり。いまは下ろしてよ(竹取物語・燕の子安貝)
 (私は何か握ったよ。すぐに下ろしてくれ。)
[命令]


(2)強意…[きっと〜・〜してしまう]
とまれかうまれ、とく破りむ。(土佐日記・二月一六日)
 (とにもかくにも、こんなものは破って捨ててしまおう。)
 
[未然]
負けじ魂に怒りなば、せぬわざわざもしむ。(源氏物語・玉鬘)
 (負けん気になって怒ってしまったら、どんなことでもしでかしてしまうだろう。)
 
[連用]
「後に」とてもやりべけれど…(枕草子・二八段)
 (「後でまた」などと追い返すこともできそうであるが…)
[終止]

※「つ」・「ぬ」+推量の助動詞
 べし・べし・む・む・らむ・らむ・まし・まし・けむ・けむ
 などの推量の助動詞とともに用いられる場合は強意となる。

(3)並列…[〜たり〜たり]
僧都乗つては降り、降りては乗つ(平家物語・足摺)
 (僧都は船に乗っては降りたり、降りては乗ったりして)
[終止]

※「つ」と「ぬ」の違い
 「つ」[何(誰)がどうした]という意志または作為的な動作を表す場合に使うのに対して、
 「ぬ」[何(誰)がどうなった]という自然推移または無作為的な作用を表す場合に使う。
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