■ Hello School 古典 文法 形容動詞 ■
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形容動詞…自立語で活用があり、性質・状態を表す単語で、述語になる単語。
       言い切りが「なり」「たり」で終わる。ナリ活用とタリ活用の2種類がある。
 
形容動詞の活用
ナリ活用(あはれなりの場合)
基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
あはれなり あはれ なら なり
なり
なる
なれ
なれ




見すぐしたらむ中こそ、契り深くあはれならめ。(源氏物語・掃木)
 ((どんな場合も)見過ごして暮らすような夫婦こそ、因縁深くしみじみとした仲でしょう。)
 
[未然]
あはれなりし世のありさまかな。(源氏物語・澪標)
 (愛情深い夫婦仲でしたね。)
 
[連用]
空の雲あはれにたなびけり。(源氏物語・明石)
 (空の雲がしみじみ心にしみるようにたなびいていた。)
 
[連用]
寺のさまもいとあはれなり(源氏物語・若紫)
 (寺の様子もとても尊く感じられる。)
 
[終止]
あはれなる御気色にかきなでたまひて、(源氏物語・松風)
 ((光源氏は)かわいく思われるご様子で(姫君の頭を)お撫でになり、)
 
[連体]
折節の移りかはるこそ、ものごとにあはれなれ(徒然草・一九段)
 (季節の移り変わるときこそ、全てにわたって趣のあることである。)
[已然]

タリ活用(堂々たりの場合)
基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
堂々たり 堂々 たら たり
たり
たる
たれ
たれ
涼風颯々たり[さつさつたり]し夜なかばに、(平家物語・青山之沙汰)
 (涼風がさっと吹いた夜の半ばに、)
 
[連用]
高山森々として一鳥声きかず、(奥の細道・尿前の関)
 (山は高く、木々が生い茂り、鳥の声ひとつ聞こえず、)
 
[連用]
舟のうへは平々たり(平家物語・水嶋合戦)
 (船の上は(板を敷いたので)平らである。)
 
[終止]
かの滋藤漫々たる海上を遠見して、(平家物語・五節之沙汰)
 (あの滋藤は広々とした海の上を遠く見て、)
[連体]
 
活用の知識
語幹…活用しても変わらない部分。

未然形…「ず」「む」につながる形。
終止形…言い切りの形。基本形ともいう。
仮定形…「ども」につながる形。
活用語尾…活用によって変わる部分。

連用形…「ける」「なる」につながる形。
連体形…「とき」「こと」につながる形。
形容動詞の音便
 撥音便…連体形の「−なる」+助動詞「めり」「なる」
         →「−なんめり」「−なんなる」→「−なめり」「−ななる」

  まいて、験者などはいと苦しげなめり。(枕草子・七段)
   (まして、修験者などはとても苦しそうである。)
形容動詞の語幹
(1)文を終止して、感動を強める。
 今はと行くを、いとあはれと思ひけれど、(伊勢物語・一六段)
  (これが別れと出で行くのを、ひどくかわいそうだと思ったが、)

(2)語幹+格助詞「の」で連体修飾語になり、感動を強める。
 いかに、かやうの所には御渡り候ふやらん。(平家物語・小督)
  (どうして、このような所においでになさっていらっしゃるのでしょうか。)
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