■ Hello School 古典 文法 動詞 上一段動詞 ■
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上一段動詞…五十音図のイ段に活用する。
          「着る」「見る」「似る」「煮る」「射る」「鋳る」「居る」「率る」「干る」など。
基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
見る みる みる みれ みよ

見る(試みる・顧みる・後ろ見る・惟[おもん]みる・鑑みる)
見る 「いかで月をではあらん」とて、、(竹取物語・かぐや姫の昇天)
 (「どうして月を見ないでいられましょうか。」といって、)
 
[未然]
今は目にもたまへ。(平家物語・木曾の最後)
 (今は(優れた武士である私の姿を)目に見なされ。)
 
[連用]
今は見るらん。(平家物語・木曾の最後)
 (今は見るだろう。)
 
[終止]
内裏にも、見るは、いとせばきほどにて、(枕草子・三段)
 (宮中で拝見するするのはとても狭い範囲であって、)
 
[連体]
「君をし見れば」と書きなしたる、御覧じ比べて、(枕草子・二三段)
 (「君をし見れば」と書き変えたのを(中宮様は)見比べなさって、)
 
[已然]
出でて見よ。例ならずいふは誰ぞ(枕草子・一三七段)
 (出てご覧なさい。いつにない言い方をする人は誰ですか。)
[命令]

着る
着る また衣ぬ妻子などもさながら内にありけり。(宇治拾遺物語・三−六)
 (また着物を着ていない妻子などもそのままで家の中にいた。)
 
[未然]
紺地の錦の直垂に黒糸縅[おどし]の鎧着て(平家物語・忠度最後)
 (紺地の錦の直垂に黒糸縅の鎧を着て、)
[連用]

似る
似る 船酔ひしたうべりし御顔には、ずもあるかな。(土佐日記・二月六日)
 (船酔いなさっていらしたお顔には、似合わないいい歌ですね。)
 
[未然]
失せたまひにし御息所の御かたちにたまへる人を、(源氏物語・桐壺)
 (お亡くなりになられた御息所のご容姿に似ていらっしゃる方を、)
 
[連用]
などか、必ずさまに似ることか(宇治拾遺物語・一二−一一)
 (どうして、必ず身分相応と決まったことか。)
[連体]

居る
居る 陣のねば、入りなむと思ひて、(枕草子・八段)
 (敬語の武士たちがいなかったので、そこから入ろうと思い、)
 
[未然]
さめざめとぞ泣きたる。(平家物語・忠度最後)
 (さめざめと泣き尽くしていた。)
 
[連用]
狩衣の前巻き入れてもゐるべし。(枕草子・二八段)
 (狩衣の前の垂れをひざの下に巻き入れたりしているのだろう。)
 
[終止]
ゐるままにすなはちねぶり声なる、いとにくし。(枕草子・二八段)
 (その座に座るとすぐにねむり声になるは、とてもにくらしい。)
[連体]

射る
射る 馬の額をの深くさせて、(平家物語・宇治川の先陣)
 (馬の額を矢竹で深く射られて、)
 
[未然]
雨の降るやうにけれども、(平家物語・木曾の最後)
 (雨が降るように射たけれども、)
 
[連用]
八筋の矢を、差しつめ引きつめ、さんざんに射る(平家物語・木曾の最後)
 (八本の矢を次々とつがえ引いて射る。)
 
[終止]
手番にて、真弓射るなり。(枕草子・九九段)
 (組になり、弓を射ているのです。)
 
[連体]
射よ、あれや」といひける言もいまだ終はらぬに(今昔物語・二五−一二)
 (「射ろ、あそこだ」といった言葉も終わらないうちに)
[命令]

鋳る
鋳る 母、一尺の鏡をさせて、えゐて参らぬかはりにとて、(更級日記)
 (母が、一尺の鏡を鋳造させて、私を連れてお参りできない代わりとして、)
[連用]

率る(率ゐる・用ゐる)
率る さて土御門より東ざまにて出だしまゐらせ給ふに、(大鏡・花山紀伝)
 (さて土御門の通りを東の方に向かってお連れ申し上げなさいましたが、)
[連用]

干る
干る 待つとも待つとも水まじ。(平家物語・宇治川の先陣)
 (待っても待っても水は引かないでしょう)
 
[未然]
河の水て、なやみわづらふ。(土佐日記・二月七日)
 (河の水が浅くなってしまい、かなり苦労する。)
[連用]

[ひ]
嚔る この童、鼻をむとてそばざまに向きて鼻を嚔るほどに、(宇治拾遺物語・二−七)
 (この童がくしゃみをしようとして横を向いてくしゃみをするときに)
 
[未然]
この童、鼻を嚔むとてそばざまに向きて鼻を嚔るほどに、(宇治拾遺物語・二−七)
 (この童がくしゃみをしようとして横を向いてくしゃみをするときに)
[連体]
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