■ Hello School 古典 文法 接続詞 ■
古典文法を豊富な例文と一緒にインターネットで勉強できるよ♪
接続詞…自立語で活用がなく、単語、文節、文をつなぐはたらきをもつ単語。
 
接続詞の種類
条件
結果
@順接…………原因・理由の事柄が前にあり、結果が後にくる。
A逆接…………前の事柄と反対のなるような事柄がくる。
対等 B累加(添加)…前の事柄に後の事柄を付け加える。
C並立(並列)…前の事柄と後の事柄が並ぶような関係になる。
D対比・選択……前の事柄と後の事柄を選ぶ。
転換 E転換…………話題を変える。
接続詞の例
順接
かかれば そこで
 くさぐさのうるはしき貝、石などおほかり。
 かかれば、ただ昔の人をのみ恋つつ、(土佐日記・二月四日)
  (いろいろな美しい貝や石がたくさんある。
   そこで、死んでしまった子供のことばかり恋しがり、)

かくて こうして
 かくて、宇多の松原をゆき過ぐ。(土佐日記・一月九日)
  (こうして、宇多の松原を通過する。)

さて それから そうして それで そこで
 つひに本意のごとくあひにれり。
 さて、年ごろ経るほどに、(伊勢物語・二三段)
  (ついに望みどおりに結婚したのであった。
   それから数年がたち、)


さらば それでは
 貴房のはからひを信じて、
 さらば、これを出だすべきにこそ。(無名抄)
  (あなたの判定を信用して、
   それでは、この歌を提出しようと決心しました。)


されば それゆえ
 塩釜といふ所に似たるところ無かりけり。
 さればなむ、かの翁さらにここをめでて、(伊勢物語・八一段)
  (塩釜という所に似たところがなかった。
  それゆえ、あの翁が特にここを賞賛して、)

しからば そうすれば
 いよいよやまずして法華経をたもつべし。
 しからば、我ら八人来たりて、(今昔物語・一三-三〇)
  (ますます止めることなく法華経を学ぶがよい。
  そうすれば、我ら八人がやってきて、)

しかるあひだ したがって それゆえ
 中宮御産の御祈りによつて、非常の赦行なはる。
 しかるあひだ、鬼界が島の流人、少将成経、康頼法師、赦免。
 (平家物語・足摺)
  (中宮の御安産祈願によって、特別の恩赦が行われる。
  したがって、鬼界が島の流人、少将成経、康頼法師、赦免。)

すなはち つまり
 狂人のまねとて大路を走らば、
 すなわち狂人なり。(徒然草・八五段)
  (狂人の真似だといって大通りを走っている人は、
   つまり狂人である。)

逆接
さて ところが
 いみじうゆかしとのみ思ふが、残り見出でたる。
 さて、心おとりするやうもありかし。(枕草子・二七六段)
  (続きを読みたいと思っていたところに、その本が出てきた。
  ところが、期待はずれでがっかりする場合もある。)

さはれ それはそうとして しかし
 さはれ、しばしこの事漏らしはべらじ。(源氏物語・賢木)
  (それはそうとして、この事はしばらくは人に漏らすまい。)

さりとて そうかといって
 契り浅くも見えぬを
 さりとてものめかさむほども憚り多かるに、(源氏物語・松風)
  (前世の縁が浅いとは思われないが、
  そうかといって、ていねいに養育するにも差し障りが多いので、)

さりとも だからといって
 いとどあさましと思ひて、
 さりとてあるべきならねば、(宇治拾遺物語・八-三)
  (ますますあきれたことだと思い
   だからといってそのままにはしておけないので、)


さりながら それでいて
 よく知らぬよしして、さりながらつまづま合わせて、
 語るそらごとは恐ろしき事なり。(徒然草・七三段)
  (よく知らないようなふりをして、それでいて、つじつまを合わせて
   語るうそは恐ろしいことである。)


さるは それにもかかわらず
 のぞみてあづかれるなり。
 さるは、便りごとに、ものもたえず得させたり。
 (土佐日記・二月一六日)
  (進んで(向こうから)預かったものである。
  それにもかかわらず、(こちらは)機会あるごとに贈り物を渡してきたのだ。)

されど(も) けれども
 かくほどなくうつろひ候ふなり。
 されども、さのみぞ候ふ。(宇治拾遺物語・一-一三)
  ((桜の花は)このようにすぐに散ってしまうものです。
  けれども、それはそういうものなのです。)

さるを ところが
 むかし、をとこ、女、いとかしこく思ひかはして、異心なかりけり。
 さるをいかなる事かありけむ、(伊勢物語・二一段)
  (昔、男と女がとても深く愛し合って、他に気を移すようなことはなかった。
  ところが、何があったのだろうか、)

しかるに けれども ところが
 千余日に力を尽くしたること少なからず。
 しかるに禄いまだ給はらず。(竹取物語・蓬莱の玉の枝)
  (千日余りにわたり力を尽くしてきた努力は普通ではありません。
  けれどもご褒美をいまだにもらっていません。)

累加
添加
かつ また そのうえ
 袋を解きてこよひの友とす。
 かつ、杉風、濁子が発句あり。(おくの細道)
  (頭陀袋の口を解いて今夜の慰めの友とした。
  また、その中に杉風、濁子の(餞別の)発句があった。)

さるは そのうえ
 聞きつたふるばかりの末々は、あはれとやは思ふ。
 さるは、跡とふわざも絶えぬれば、(徒然草・三〇段)
  ((故人を)聞き伝えている子孫は感慨をもよおすものだろうか。
  そのうえ、死後の法事も途絶えてしまうので、)

しかも それでいて
 ゆく河の流れは絶えずして、
 しかも、もとの水にあらず。(方丈記)
  (とうとうと流れる河の流れは絶えることなく、
  それでいて、もとの水ではない。)

また さらに
 似てははべれど、これはゆゆしげにこそはべるめれ。
 また「翁丸か」とだにいへば、(枕草子・一九段)
  (似てはございますが、この犬はあまりにも醜い感じでございます。
  さらに「翁丸か」と言ったならば、)

並立
および 〜と
 色および光、妙にして例の花に異なり。(今昔物語・七-二七)
  (色と光はすばらしく、ふつうのものとは違っている。)

ならびに それと同時に また および
 御身等身の七仏薬師、ならびに五大尊の像をつくり始めらるる。
 (平家物語・御産)
  (等身大の七仏薬師と、それと同時に五大尊の像をお造りになられた。)

また また および ならびに
 硯に髪の入りてすられたる。
 また、墨の中に、石のきしきしときしみ鳴りたる。(枕草子・二八段)
  (硯の中に髪の毛が入ってすられたもの(はにくらしい。)
  また、墨の中に石が入っていて、ぎしぎしと音を立てるのも(にくらしい。))

対比
選択
あるいは あるときは ある人は ある場合は
 あるいは去年焼けて今年作れり。
 あるいは大家滅びて小家となる。(方丈記)
  (あるものは去年家が焼けて今年立て直す。
  あるものは大きな家が没落して小さな家となる。)

はたまた それともまた あるいは
 貧賤の報いのみづから悩ますか、
 はたまた妄心のいたりて狂せるか。(方丈記)
  (貧賤の重荷として悩ますのか、
  それともまたみだらな心が狂わせるのか。)

もしは あるいは または もしくは
 うちも笑まれ、涙もさしぐみ、
 もしは、あやなき公腹だたしく、(源氏物語・掃木)
  (自然に笑ったり、涙ぐんだり、
  あるいはわけもなく正義感で腹立たしく思い、)

転換
さて ところで
 さて、冬枯れのけしきこそ秋にはをさをさおとるまじけれ。
 (徒然草・一九段)
  (ところで、冬枯れの景色の情趣は秋にほとんど劣ることはないだろう。)

さは それでは
 鬼寄りて、「さは取るぞ」とて、ねじて引くに、(宇治拾遺物語・一-一三)
  (鬼が近寄ってきて、「それでは取るぞ」と言い、ねじって引くのだが、)

さるにても それにしても
 「さるにても、いかでか、あまたの御祈りの中にも
 そのしるしと見えむこそよからめ」(宇治拾遺物語・一-一三)
  (「それにしても、どうして多くのご祈祷の中でもあなたの効験と
   わかることがございましょう。」)


さるほどに そうしている間に さて ところで
 御所中の女房たち、皆袖をぞぬらされける。
 さるほどに夜も明ければ、(平家物語・月見)
  (御所中の女房たちは、みな涙で袖をおぬらしになった。
  そうしている間に、夜が明けたので、)

しかるあひだ そうしている間に さて
 もとの妻心うしと思ひてぞ過ぐしける。
 しかる間、秋、北の方に、山郷にてありければ(今昔物語・三〇-一二)
  (もとの妻は情けないと思いながらも暮らしていた。
  そうしている間に、北の方が山郷だったので)

そも それにしても
 聞きしにも過ぎて、たふとくこそおはしけれ。
 そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、(徒然草・五二段)
  (聞いていた以上に尊くあられました。
  それにしても、参拝に来た人たちがみな山に登っていたのは、)

そもそも さて
 そもそも、一期の月影かたぶきて、(方丈記)
  (さて、ちょうど月が稜線近くに傾いて、)
文法目次  国語のページ   Top
商用目的での利用を固く禁じます。