■ Hello School 古典 文法 連体詞 ■
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連体詞…自立語で活用がなく、体言を修飾する単語。
 
連体詞の例
あたら @大切な
 @いかが要なき楽しみを述べて、あたら時を過ぐさむ。(方丈記)
  (どうして役にも立たない楽しみを述べ、大切な時間を過ごすであろうか。)
 
あらぬ @別の
 @食はねば、あらぬものにいひなしてやみぬる、(枕草子・九段)
  (食べないので、別の(犬だと)思い決めてしまい、)
 
ありし @以前の A生前の B例の
 @ありし素性まさりて人と生まれたるなり。(更級日記)
  (以前の家柄よりも優って人として生まれたのです。)

 A更にまたありしよりけに忍びなどして、(建礼門院右京大夫集)
  (さらにまた以前よりもいっそう人目を忍んだりして、)

 Bかのありし猫をだに得てしがな。(源氏物語・若菜下)
  (あの例の猫だけでもほしいものだ。)
 
ありつる @先ほどの
 @御前に参りて、ありつるやう啓すれば、(枕草子・八段)
  (中宮様のお前に参って、先ほどの経緯を申し上げたところ、)
 
ある @ある
 @ある人、県の四年五年はてて、(土佐日記・一二月二一日)
  (ある人が任国での四、五年の任期を終えて、)
 
いはゆる @世に言う A周知のように
 @いはゆる折り琴、継ぎ琵琶これなり。(方丈記)
  (世に言う、折り琴、継ぎ琵琶がこれである。)

 Aいはゆる重盛が無才愚闇の身をもって(平家物語・教訓状)
  (周知のように、重盛は学問がなく愚か者でありながら、)
 
いんじ @去る
 @去んし安元三年四月二十八日かとよ。(方丈記)
  (去る安元三年四月二十八日ことであろうか。)
            [「去んし」は「いんじ」の撥音便である。]
 
かかる @このような
 @恩愛の道ならでは、かかる者の心に慈悲ありなんや。(徒然草・一四二段)
  (肉親の愛情でなくては、このような者の慈悲の心があるだろうか。)
 
きこゆる @有名な
 @きこゆる木曾の鬼葦毛といふ馬の、(平家物語・木曾の最後)
  (有名な木曾の鬼葦毛という馬で、)
 
さしたる @格別の Aたいした
 @さしたる御望み深かりけること侍りけり。(古今著聞集・六)
  (格別のお望みが深かったことがございました。)

 Aさしたる事なくて人のがり行くは、よからぬ事なり。(徒然草・一七〇段)
  (たいした用事もなく人のところに行くのは、よくないことである。)
 
させる たいした
 @させる能もおはせねば、物をも惜しみたまへ。(宇治十遺物語・三-六)
  (たいした才能がおありでないので、物を惜しみなされるとよい。)
 
さらぬ @たいしたことでもない Aその他の
 @大将の君は、さらぬことだに思し寄らぬことなく、(源氏物語・賢木)
  (大将の君は、たいしたことでないことすら気疲れすることなく、)

 A頭の中将、左中弁、さらぬ君たちも慕ひきこえて、(源氏物語・若紫)
  (頭の中将、左中弁、その他の君たちも(源氏を)お慕い申し上げて、)
 
然る[さる] @それ相応な Aそのような
 @頼政卿さる人にて、馬よりおり甲をぬいで、(平家物語・御輿振)
  (頼政卿はそれ相応な方で、馬から下り、甲をぬいで、)
 
 Aさる君をおきたてまつりてこそえ行くまじけれ。(枕草子・二四〇段)
  (そのような中宮様をお見捨て申してどこかへ行くことはできません。)
 
さるべき @適当な Aそういう宿命の Bそれ相応な
 @若宮など生ひいでたまはば、さるべきついでもありなむ。(源氏物語・桐壺)
  (若宮でも成長なさったならば、適当な機会もあるであろう。)
 
 Aさるべきにやありけむ、負い奉りて下るに、(更級日記)
  (そういう運命であったのであろう、(姫君を)背負い申し上げて東国に下ったが、)

 Bさるべき人の宮仕へするがりやりて、(枕草子・二五段)
  (それ相応な身分の人で、宮仕えしている人のところに(婿を)とられて、)
 
去る[さんぬる] @前の
 @これはさんぬる夜、御寝[ぎょしん]のならざりしゆゑなりとて、(平家物語・橋合戦)
  (これは前の夜にお休みになることができなかったという理由で、)
 
なんでふ(なでふ) @どのような A何ほどの
 @なでふ女か真名書は読む。(紫式部日記)
  (どのような女性が漢詩を読むのでしょう。)

 Aなんでふ心地すれば、かく物を思ひたるさまにて、(竹取物語・かぐや姫の昇天)
  (何ほどの気持ちがあって、このように物思いに耽るようすで、)
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