■ Hello School 古典 文法 尊敬語 練習問題 ■
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1.次の文章を読んで、後の問いに答えなさい。

 ひねもすにいりもみつる風の騒ぎに、さこそいへ、いたう困じ
たまひにければ、心にもあらずうちまどろみたまふ。かたじけ
なき御座所なれば、ただ寄り居たまへるに、故院ただおはしま
ししさまながら立ちちまひて、「などかくあやしき所にはものする
ぞ。」とて、御手を取りて引き立てたまふ。
 「住吉の神の導きたまふままに、はや船出してこの浦を去り
ね。」とのたまはす。いとうれしくて、「かしこき御影に別れ奉り
にしこなた、さまざまに悲しきことのみ多くはべれば、今はこの
渚に身をや捨てはべりなまし。」と聞こえたまへば、「いとある
まじきこと。これはたたいささかなるものの報いなり。われは位
にありし時あやまつことなかりしかど、おのづから犯しありければ、
その罪を終ふるほと゜暇なくて、この世を顧みざりつれと゜、いみ
じき憂えに沈むを見るに、堪え難くて、海に入り、渚にのぼり、
いたく困じたれど、かかるついでに内裏に奏すべきことあるに
よりなむ急ぎ上りぬる。」とて、立ち去りたまひぬ。飽かず悲しく
て、御供に参りなむと泣き入りたまひて、見上げたまへれば、
人もなく、月の顔のみきらきらとして、夢の心地もせず、御けはい
とまれる心地して、空の雲あはれにたなびけり。年ごろ夢のうち
にも見奉らで恋しうおぼつかなき御様を、ほのかなれど、さだか
に見奉りつるのみ面影におぼえたまひて、わがかく悲しびを極
め、命尽きなむとしつるを、助けに翔[かけ]たまへるとあはれに
おぼすに、よくぞかかる騒ぎもありけると、なごり頼もしく、うれし
うおぼえたまふこと限りなし。胸ふとふたがりて、なかなかなる御
心惑ひに、現の悲しきこともうち忘れ、夢にも御答へをいま少し
聞こえずなりぬることいぶせさに、またや見えたまふ、とことさら
に寝入りたまへど、さらに御目も合はで、暁がたになりにけり。
(源氏物語・明石)
(1)ア〜エの会話はそれぞれ、源氏、故院のどちらものか。

(2)下線部A〜Cの尊敬語は誰の誰に対する尊敬語か。

(3)本文中での源氏の様子はどのように描かれているか、次の
 中から選び、記号で答えなさい。

 ア.父の前では冷たく、自分勝手な人間。
 イ.父の前では言いたいことも言えず、従順な人間。
 ウ.父の前では気丈に振舞い、頼もしい人間。
 エ.父の前では気弱で甘えがちな人間。

解答
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