私はのんちゃん Part.11


11−3

「君江は兄弟がいるんだよな。」  
「お兄ちゃんね。」
「いいよな。勉強とか教えてくれるんだろ。」
「ううん。絶対に教えてくれないよ。
『何だ、お前、こんなもんもできないのかよ。』
とか言って、本当は多分解けないと思うよ。
でも、お兄ちゃんの友達がたまに来て、
宿題やってくれたりするんだ。」
  
「そう。やっぱいいよな。」
「ヒロ君、1人っ子だもんね。寂しいよね。
じゃあ、兄弟だったら誰が欲しいの。」

「妹。しかもかわいいの。で、さらにおとなしくて、
お兄さん想い。」
   
「いないよ、そんなの。」   
「そうかもしんないけどさ。
でも、いるとしたら欲しいんだよな。」
「じゃあ、同い年だけど、私がなってあげようか。」   
「えっ、ああ、いやぁ。」
「なんで、だめ。」
「だめじゃないけどさ。君江は俺から見れば、
お姉さんって感じだよ。」

「そうかしら。」   




ノンちゃんは2人に気づかれないように、
その場を離れていった。


それって、私にも言ったじゃんよ。
そうなんだ。





だから、枝川先輩って頭いいんだ。




私のことじゃないの。
あらっ、簡単に否定されちゃった。


うわっ。すごいことを言う人だったんだ。





ふーん。なんか、聞いてると、
だんだん嫌になっちゃった。
いいかげんにしてよね、て感じだね。
もう、部室に戻ろう。

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