小説 hello学校の怪談 (小学校編) 4/21


 真っ暗な広い理科室の机、周りにはいろいろな実験器具が並んでいる。
みんな1つの机の周りに集まった。ここでyousuke先生からの指示があったからだ。

 それは、ここで何かの実験をすると、女の子の幽霊が出てくるらしい。
あらかじめ、みんなで話し合っていたことを、手際よくとりかかった。
 まず、1人が家にあったコーヒーサイフォン用のアルコールランプをバックから取り出す。
次に、もう1人が窓際においてある試験管に水を入れ、試験管ばさみと一緒に持ってくる。
そして、別な生徒が長いライターでアルコールランプに火をつける。

 試験管で水を温めるだけの、何の実験にはなっていないが、雰囲気は確かに実験である。
みんな、試験管に注目しながらも、周りの変化に気を配っていた。

 試験管の中の水がグツグツと音を立て始めた。
しかし、周りには何の変化もない…。
小さい声があがった。
「ダメかな?」
隣が答える。
「本当の実験じゃないからかな?」

 みんな、シ〜ンと静まった。と、その時だった。

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