秋風に乗って
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草野大悟 |
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秋風に乗って 走れぼくらの自転車よ きらめく日射しの中を きみを乗せて走れ
秋風に乗って 走れきみの自転車よ あの日のように 秋桜の咲き誇る道を
走れ走れ 埃まみれのぼくらの夢よ 走れ走れ はじける笑顔のように 輝く光のように
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形式…口語自由詩 主題=「自分たちの夢」
主な表現技法…反復法
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解説 |
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※はじめに 詩というものは、読み方は自由であり、ここで解説 する内容はあくまでも作者・編者の主観によるもの であることをあらかじめ記しておきます。
「秋風に乗って」は 脳髄膜種の手術失敗により全身麻痺となり現在、 懸命のリハビリを続けている作者の妻が愛用して いた自転車が埃まみれになって秋の日射しの中に ぽつんと放置されているのを見たときに生まれまし た。 昨年の今頃、彼女がその自転車に乗って秋桜の 咲く川岸の道を走っていたことを思い、そして、 何より、彼女が再び自転車に乗れるようにとの祈り を込めて書いたものです。
自分たちの夢を「自転車」という身近な言葉を使って 表現しているのが大きな特徴であり、夢を走らせて いこうという気持ちを巧に表現された作品です。
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