この指とまれ
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榛野 草 |
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校庭のまんなかで あの子がうたう
おにごっこするもの よっといで おにごっこするもの この指とまれ
ちりぢりになっていた子らは ひとり ふたり と集まってゆく さっきまで一緒に 鉄棒の横にいた子も あの子のほうへ
校庭の片隅の鉄棒に ひとり ぽつんといる 君は行かないの あの子のうたが聞こえないの
冷えた鉄棒 ぎゅっとにぎりしめ この指とまれ この指とまれ
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作品の著作権は作者が保持します。無断転載を固く禁じます。 | |
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形式…口語自由詩 主題=「孤独の寂しさ」
主な表現技法…反復法
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解説 |
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※はじめに 詩というものは、読み方は自由であり、ここで 解説する内容はあくまでも作者・編者の主観に よるものであることをあらかじめ記しておきます。
1人の呼びかけによって、みんなが1つになって 集まり、楽しんでいる中、鉄棒に残された1人の 子。 理由はわからないけれども、みんなと打ち解けら れない「寂しさ」がこの詩の中に感じられ、この詩 の読み取る大事なところになっています。 その寂しさが「鉄棒の冷たさ」という表面的な表現 を通して心の寂しさを読者に伝えています。 「ぎゅっとにぎりめ」は何か大切なものを感じさせ ます。
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