中学生
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七七かのこ |
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暑くもない。寒くもない。 あの白い大きなユニフォーム 頭の中でいま揺れている。 ひらひら。ひらひら。
足の先の感覚はとうに痺れていて 遠くの空の青、仰ぎながら わたしを見ていてと ただ思っていた。
青の下にいたあの子 彼女自身も忘れている 乾いたグラウンドで転ぶ 大きく手を振って
聞こえなかった ばいばい。
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形式…口語自由詩 主題=「孤独と焦燥感」
主な表現技法…
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解説 |
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※はじめに 詩というものは、読み方は自由であり、ここで 解説する内容はあくまでも作者・編者の主観に よるものであることをあらかじめ記しておきます。
この作品は、私自身の中学時代を振り返り あの頃の感情をイメージ化して描いたものです。
印象として、よく残っているのだろうか。 中学時代を振り返ってみると、思い出すのは、 部活動でグラウンドを走っている時のこと。 運動部に所属しているくせに、走るのが苦手だった 私はいつも、前に走る人の背中を追いかけながら、 焦燥感でいっぱいだった。 足の先の感覚も痺れて、走ることをやめたかった けれど、やめられなかった。 もし、私が走ることをやめても、誰も私に注目する ことはなく、皆そのまま走り続けるだろうから。 そう思うと、必死で走って走って、皆のスピードに 追いつかなければ、と思っていた。 私を見ていて、という気持ち。そういう、凡庸に 埋もれた孤独の感情。焦燥感。 それがこの詩の主題となっていると思います。
そんな孤独と焦燥感の中でも必死になって 自分を精一杯がんばる姿と気持ちを読み取れれば と思います。 | |