風
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理来 |
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目を閉じれば 響きくる夏の草笛 川の流れにそうて 水面となる笹舟 掴みえぬ雲を追い どこまでも走る少女と その後ろ姿を追いかける ひまわりの影
雲の先に 行くものがあった 少女はその背を呼べずにいた 二度とは帰らぬ 彼の一つ名を 彼女はまだ 知らなかった
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形式…口語自由詩
主題…「自然への体感」
主な表現技法…体言止め
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解説 |
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※はじめに 詩というものは、読み方は自由であり、ここで解説する 内容はあくまでも作者・編者の主観によるものであること を予め記しておきます。
お日様の照り輝く夏。 どこからかやって来た風を受けると、 声にもならぬ心地良いものが肌を通り抜けていきます。 目を閉じれば草笛の音色や川の流れといったものたち そんな清々しいものたちが胸に浮かんできます。 雲の先へどんどん行ってしまう背中は どのような姿をしているのでしょうか。 少女と一緒に想い描いてみてください。 そして、どこまでも追いかけてみてください、その風を。
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