月のうらがわ
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春日野佐秀 |
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月が遠くで泣いている うずきだす傷跡 誰も知らない 裏側の傷跡
それでも 見ていてくれる人がいるから 今日も あなたの背中照らして
優しい光を 傷ついた分 もっと優しい光を
涙を力に変えて 誰もが 傷を隠して輝いている だから 何より輝けるのだと
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作品の著作権は作者が保持します。 無断転載を固く禁じます。 | |
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形式…口語自由詩
主題…「生に対する勇気」
主な表現技法…体言止め
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解説 |
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※はじめに 詩というものは、読み方は自由であり、ここで解説する内容 はあくまでも作者・編者の主観によるものであることを予め 記しておきます。
私たちが、普段何気なく見上げている月は、自転と公転の 関係から、地球からはいつも同じ面しか見えていません。 どの季節でも、日本でいう“月のうさぎ”は見れることでしょう。 このうさぎもクレーター(隕石などがぶつかったりしてできた くぼみ)がそう見えています。しかし、地球側には大きな“海” とよばれるものがあるために綺麗に見えますが、裏側には 大小さまざまなクレーターが無数にあります。クレーターの 形成には諸説ありますが、隕石がぶつかったのだとしたら、 痛いですよね。でも、月の光は青く見えるときは淋しそうなの に、いつでも優しいです。 人も様々なことを抱えています。他の人にはわからない傷も たくさん抱えています。表面だけで、人を判断しないで下さい。 内面をわかろうとしてください。そして、自分が傷ついたときには、 その痛み、もうわかっていますよね。だから、他の人にその 痛みを、同じ思いをさせないように、優しい気持ちでいてください。 誰もがいいところを持っています。人はみな、光り輝く星であると 私はよくたとえます。自分は暗いけど、あの人は明るいとか考え ないで下さい。明るく見える星シリウスも近くにあるためにすぎ ません。だから、自信を持ってほしい、私も自信を持ちたいと 思って、私はこの詩を書きました。一人でも多くの人に勇気を 与えて上げられますように。
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