※はじめに 詩というものは、読み方は自由であり、ここで解説する内容はあくまでも 作者・編者の主観によるものであることを予め記しておきます。
詩を造る喜びとはなんでしょう?
「自分の心の中にあるいろいろな思いが言葉という表現方法に よって誰かの胸に届いたら」と、想像すること。ではないでしょうか?
では、詩を読む喜びって?
「作者が伝えたかった思いを“綴られた言葉”の裏から探し出し自らの 思いと重ね合わせて何かを掴み取ることが出来た時」かも知れませんね。
「手」というこの詩も、まずさらっとそのまま読んでみると、 寒い冬の日に、冷えてしまった自分の手と同じように冷えた誰かの手、 それぞれ冷たいモノなのに重ねると何故か暖かい・・不思議だなあ。 うん、まさにその情景ですね。もちろんこれだけでも充分この詩の意味は わかりますよね。
でも、もう一歩想像力を働かせて・・それぞれの言葉の向こうに隠れた “思い”を探してみましょう。
たとえば一行目の「北風」・・・「世間のつめたさ」「暗い思い」「哀しみ」 「自分の弱さ」なんてものを想像できませんか?まあ、そんなものによって 冷えてしまった「手」・・・そうですね、これは「心」とか「思い」なんてもの に置き換えられるかもしれません。
で、そんな冷たい「手(こころ)」どうしでも重ね合わせることによって 「暖かさ」が
生まれると言っています。「悲しみ」や「落ち込む心」 「理不尽な社会」などからは逃れようのない私たちですが、「手(こころ)」 を添わせることによってどうにかその寒さから逃れることが出来る。
「どうしてだろう」
その理由についてはみなさんで考えてください。
「なぜだかとっても暖かい」
ほら、暖かい気持ちになってきませんか。
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