■ Hello School 社会科 公民(ハロ民) No.12 流通と市場経済 ■
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1.流通
 生産者が生産した商品が消費者に届くまでのことを流通といい、流通は卸売業小売業に分かれ、卸売業と小売業を
あわせて
商業という。
 卸売業は生産者から商品を仕入れ、小売業に販売する商業で、小売業はお店やスーパーマーケットのように卸売業か
ら商品を仕入れて消費者に販売する商業をいう。

 近年では、産地直送のような小売業が生産者から直接仕入れを行ったり、安全で安い独自の商品をつくるといった
流通
の合理化
が行われている。
2.市場経済
 商品が売買され、その価格が決定される場
市場といい、その市場によって社会経済が
機能している経済を
市場経済という。

 市場で商品の価格が決定される場合、
需要
とよばれる買い手が買おうとする量と供給
とよばれる売り手が売ろうとする量の2つの
関係よってその価格が決定される。

 需要量は
価格が低いほどその商品を多く
買おうとする
ことから右下がりとなり、その
下がり方は直線的または比例的に下がるの
ではなく(価格が半分に下落したからといって
必ずしも需要量が2倍になるというわけでは
ない)、徐々に下がっていくのが一般的とされ
ているので図1のような曲線であらわされ、
その曲線を
需要曲線という。

 供給量は価格が高いほどその商品を多く
売ろうとする
ことから右上がりとなり、その
上がり方は直線的または比例的に上がるの
ではなく(価格が2倍に上昇したからといって
必ずしも供給量が2倍になるというわけでは
ない)、徐々に上がっていくのが一般的とされ
ているので図2のような曲線であらわされ、
その曲線を
供給曲線という。
 商品の価格は需要曲線と供給曲線が交わる点で決定され、そのときの価格のことを市場価格または均衡価格という。
図3のように、取引量もその価格で決定される。
 市場(均衡)価格以外で価格が右の図のようにP1
決められている場合(不均衡価格とよばれる)、供給量
(売りたいと思う量)がQ1であるのに対して、需要量
(買いたいと思う量)がQ2となる。この状態の場合、
Q1-Q2の分だけ売れ残りが生じることになる。このよ
うな場合、価格はP1から供給量と需要量が一致するP
へと自動的に下がり、売れ残りは解消される。

反対に、価格が右の図のようにP2に決められている
場合、供給量がQ2であるのに対して、需要量がQ1
なる。この状態の場合、Q1-Q2の分だけ品不足が
生じることになる。このような場合、価格はP2から
供給量と需要量が一致するPへと自動的に上がり、
品不足は解消される。
 不均衡価格の状態であっても、価格が自動的に上昇したり下落することによって均衡価格に導くことを価格の自動
調節作用
という。

 このように、市場経済は価格の自動調節作用によって、社会が必要であると思っている商品が必要なだけ生産され、
必要なだけ消費されていくしくみになっている。
※応用 数量調整による均衡価格の維持
 上のような価格の自動調節作用に
よる均衡価格へ収束させるような財・
サービスは主に食料品など短時間
または短期間でしかその価値がない
ものが多い。
(例えば、12月25日を過ぎたクリスマス
ケーキや閉店間際の生鮮食品など
は安売りを行う。)

 これに対して、主に工業製品はあまり
価格を1日ごとなどで価格を変動させる
ことは少なく、長期間価格が一定である
ことが多い。

 これを右の図で説明すると、仮にある
商品にブームが起きると、今までその
商品に関心がなかった人々がその商
品の市場に参加し、今まで以上にその
商品を買いたいと思う需要量が全体的
に増加する。
(需要曲線D1から需要曲線D2へシフト)

 価格の自動調節作用にしたがえば、
均衡価格はPからP1になるところだが、
その商品を売りたいと思う供給量も
需要曲線のシフトにあわせて増加させ、
(供給曲線S1から供給曲線S2へシフト)
最初の均衡価格Pを維持させる。
 反対にある商品のブームが去ると、今
までその商品に関心があった人々がそ
の商品に関心を示さなくなり、その商品
の市場から撤退し、需要量が全体的に
減少する。

(需要曲線D1から需要曲線D2へシフト)

 価格の自動調節作用にしたがえば、
均衡価格は右の図のようにPからP2
なるところだが、その商品を売りたいと
思う供給量も需要曲線のシフトにあわ
せて減少させ、(供給曲線S1から供給
曲線S2へシフト)最初の均衡価格Pを
維持させる。


 この他のケースとして、供給量の増減
から始まる数量調整もある。
3.市場(均衡)価格以外での価格決定
 市場価格以外でも価格が決定される場合もあり、それは独占(寡占:かせん)価格と公共料金がある。

 ある商品を1つの企業ですべて生産・販売している状態を
独占、少数の企業で生産・販売している状態を寡占といい、
こうした状態で決められる価格を
独占価格または寡占価格という。

 このような価格のもとでは、その企業が大きな利益を得たり、自由な競争を妨げられたりするなど、消費者にとって
は不利益になる。

 こうした不公正な取引を禁止するために、政府は
独占禁止法を制定し、公正取引委員会がこれを監視している。

 電気・ガス・水道といった生きていくために必要な財・サービスに対しては、売りたい量、買いたい量といった希望に
応じたもので決めるものではなく、また少数の企業で決めることも社会不安につながっていくことになる。

 こうした公共性の高い財・サービスは国や地方公共団体が決定したり認可することによって決められる。このような
価格を
公共料金という。
4.物価
 いろいろな商品の価格を平均化したものを物価といい、主に企業物価消費者物価がある。

 企業物価は主に生産財、消費者物価は日常生活に関係している財・サービスの物価である。

 物価の動きは
企業物価指数消費者物価指数という指標で表され、基本的には
  物価指数=
その年の物価
基準年の物価
×100  で算出される。

 物価が上昇し続けることを
インフレーション(インフレ)、下落し続けることをデフレーション(デフレ)といい、景気がよい
ときはインフレ、悪いときはデフレになることが多い。
確認問題
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