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社会科 公民(ハロ民) No.3 人権思想の発達 ■ |
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1.人権思想のおこりと発達 |
ヨーロッパでは、王権神授説という国王の権力は神から 授けられたもので絶対に侵すことのできないとする思想 があった。 この思想は絶対主義とよばれる国王(専制君主)が政治 の権力を独占する政治体制としてあらわれ、16〜18世紀 にかけてよくみられた。
人権思想の最初として、1215年のイギリスで、貴族や僧 によって出された大憲章(マグナ=カルタ)という文書があ り、これによって国王は議会の承認なしに新たな課税を 行ったり、国民の身体の自由をうばわないことなどが決め られた。
イギリスは議会による政治体制や思想をきずいたことか ら、「民主主義の母国」といわれている。 |
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人権思想の歴史
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14世紀になると、ルネサンスとよばれるイタリアを中心に古代ギリシャやローマの文化の研究を通じた 自由な人間中心の文化がヨーロッパに広がり、キリスト教の人類愛の思想と融合して、合理主義と人間 尊重の精神を人々に根づかせた。
1517年、ドイツではルターが宗教改革をおこし、人間は神の前ではすべて平等であるとして、個人の 自由と尊厳を主張した。
1642年、イギリスでは、王党派と議会派が対立し、クロムウェルが率いる議会派が勝利し、国王を処刑 する清教徒革命がおきた。ついで1688年には、議会が国王を交代させる名誉革命(流血を防いだことから この名前がつけられた)がおき、これらの革命によって権利の章典が発布され、国王による専制政治を 大きく制限した。
権利の章典発布の翌年、イギリスのロックが「市民政府二論」を著し、「人間はすべて平等であり、生命、 自由および財産は生まれながらの権利をもつ」ことと、「国家はそうした権利を守るためにあり、これを阻害 する場合は市民は反抗権をもち、支配者を交代できる」と主張した。
ロックの思想は、フランスの啓蒙思想に影響を与え、モンテスキューは「法の精神」を著し、政治は立法と 行政、司法の三権を分立させることを説いた。
また、ルソーは「社会契約論」を著し、「人は生まれながらにして自由・平等である」として、自然権の立場 で人民(国民)主権を主張した。
これらの思想は18世紀後半のアメリカ独立戦争やフランス革命に影響を与えていった。
1775年〜83年にかけて、イギリスの植民地であったアメリカは、イギリス本国の絶対主義的な支配に 対して、市民階級が独立戦争をおこし、アメリカが勝利した。その際、1776年に、基本的人権をうたった 「独立宣言」が発表された。
1789年には、フランス革命がおこり、国王の専制政治に対して平民階級が変革をおこした。その際、 人間の自由・平等・博愛といった人権を守る「人権宣言」が発表された。
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2.いろいろな人権 |
自然権 人間が生まれながらにしてもっている自由・平等の権利。
自由権 人間は国家から制約を受けず、また国家からの権力から自由であるという権利で、18世紀までに確立され たことから、18世紀的人権とよばれ、身体の自由、精神の自由、経済の自由の3つに分かれる。
平等権 社会的差別の解放を目的とした権利で、貴族制度の廃止や男女の平等、政治上の平等などがある。
基本的人権 人類の長年の歴史にわたる自由獲得の努力の成果で侵すことのできない永久の権利。
社会権 経済的・社会的な不平等をなくす目的とした権利で、すべての人間が人間らしい生活ができることを もりこんだ権利で20世紀的人権とよばれる。生存権、教育を受ける権利、労働者の権利などがある。 社会権は第一次世界大戦後のドイツのワイマール憲法で初めてもりこまれた。第二次世界大戦後には、 第3回国際連合総会で採択された世界人権宣言では基本的人権を社会権までふくめられた。
基本的人権を守る権利 基本的人権を国民みずからが守る権利で、参政権、請求権、請願権などがある。
新しい権利 個人がより幸福な生活をするための権利で、知る権利、プライバシーの権利、環境権などの新しい権利が 生まれてきている。
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