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社会科 地理(ハロ地理) No.25日本の環境問題 ■ |
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1.日本の公害 |
第二次世界大戦後の日本は、重化学 工業を中心に発展し、多くの工場がつ くられた。 それと同時に、工場から出される有害 物質が周辺の住む人たちの健康をお びやかすことにもなった。
公害への被害や反対運動が広まり、 国は1967年に公害対策基本法を制定 し、1971年に環境庁を設置、さらに、 1993年に公害対策基本法を廃止して 環境基本法を制定した。
1997年には、大規模な開発を行なう |
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四大公害病
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白地図テスト |
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際には、周辺の環境への影響を自然に調査をする環境影響評価(アセスメント)法ができ、 2001年に環境省を設置した。
同時に県や市などの地方公共団体も条例を定め、公害に対しての環境基準を定めるように なり、企業もこうした動きに対応し、公害を防ぐ技術を開発させ、工場などから出る有毒物質 を減らせている(りんを含む合成洗剤の使用を禁止した琵琶湖富栄養化防止条例など)。 |
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●公害の原点 |
明治時代、栃木県足尾銅山から出される鉱毒ガスやそれによる酸性雨が近隣の山を禿山にし、土砂が崩れ、 その土砂が近くの渡良瀬川を流れて田園の稲を枯らせるようになった。衆議院議員であった田中正造は議会 に提出したり、天皇に直訴をしたりした。 |
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2.公害の種類 |
(1)典型7公害 大気汚染…工場の煙突や自動車などから排出さ れる煙や排ガスなどの有毒物質が 空気が汚れること。光化学スモッグ やぜんそくなどを起こす。
水質汚濁…工場の廃液や過程からの下水が海 や川に流れることによって水が汚れ ること。プランクトンの異常発生によ る赤潮などを起こす。
土壌汚染…工場の廃液に含まれるカドミウムな どの有害物質が水田などにたまり、 土が汚れること。宮崎県土呂久(とろく) でのひ素の慢性中毒が発生。
騒音…建設にともなう工事や飛行機・自動車な どによって出されるうるさい音。
振動…建設にともなう工事や電車・自動車など によって引き起こされ、体に感じる揺れ。
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公害に対する苦情の内訳
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不法投棄されたゴミ
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地盤沈下…地下水のくみあげなどによって土地が沈むこと。東京都江東区や兵庫県尼崎市 などで顕著。
悪臭…化学工場や養豚場・養鶏場などから出される嫌なにおい。静岡県田子ノ浦でのヘドロ 公害は有名。
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(2)四大公害病 水俣病…熊本県八代海沿岸に流されたメチル水銀が原因で起きた病気で、手足がしびれて やがて死んでしまう。
新潟水俣病…水俣病と同じ病気で、新潟県阿賀野川流域で発生した病気。
イタイイタイ病…富山県神通川流域に流されたカドミウムが原因で発生した病気で、手足など の骨がもろくなり、激しい痛みにおそわれる。
四日市ぜんそく…三重県四日市市で工場から排出された亜硫酸ガスが原因で発生した病気 で、せきがとまらないぜんそくを起こす。
(3)その他の公害 ハイテク公害…IC工場で使われるトリクロロエチレンが地下水を汚染し、がんなどの病気を 発生させる。
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ダイオキシン…焼却炉での不完全燃焼 などで発生する有害物質。
ヒートアイランド現象…都市などの過密 地域で起きる現象 で、道路舗装や エアコンによる熱 の排出によってお きる。
ゴミ問題…大都市で大量のゴミの処理が 問題になっている。 |
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家庭からのゴミ排出量
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3.公害・環境対策 |
大量生産・大量消費型社会が生み出したゴミ問題 を受けて、近年では循環型社会をつくろうという 動きがみられる。
循環型社会では、ゴミを減らすリデュース、商品を 何回も使うリユース、ゴミを別な資源として再利用 するリサイクルがすすめられている。
リサイクルについては以下のような法律がある。
容器包装リサイクル法 |
ペットボトル、プラスチック容器、包装紙など |
家電リサイクル法 |
テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機 |
食品リサイクル法 |
レストランやスーパーなどからの生ゴミや残飯など |
建設リサイクル法 |
コンクリート、アスファルト、木材など |
自動車リサイクル法 |
使用済みの自動車から出されるゴミ |
資源有効利用促進法 |
自動車製造業など10業種、パソコンなど69品目 | |
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スチール缶、アルミ缶、古紙、ペットボトルの リサイクル率
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再生紙を使ったトイレットペーパーやフロンガスを使用しないスプレーなど、環境を意識している 製品にはエコマークがつけられている。
住民の運動として、住民がお金を出し合い、自然や文化を残したい地域を買い上げて保護する ナショナルトラスト運動がある。北海道斜里町の「知床100平方メートル運動」、神奈川県鎌倉市 の「鎌倉風致保存会」、埼玉県所沢市の「トトロのふるさと財団」などがある。 | |
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4.世界の環境問題 |
世界規模での環境問題として、地球温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、砂漠化・緑の減少、 海洋汚染などがある。
地球温暖化…石炭・石油を燃やすことによる二酸化炭素の発生で、地球が温室のような 状態となり、気温が上昇すること。→Hello
School 中学理科 特別編 地球温暖化
オゾン層の破壊…冷蔵庫やエアコンなどに使用されるフロンガスが、上空のオゾン層を 破壊し、太陽の紫外線を通しやすくすることによって、動物・植物に有害 な影響を与えること。→Hello
School 中学理科 特別編 オゾン層の破壊
酸性雨…工場や自動車などから出される排出ガスに含まれている硫黄酸化物や窒素 酸化物が空中のからの雨にとけて、強い酸性度の雨となり、農作物や生物に 影響を与えること。→Hello
School 中学理科 特別編 酸性雨
砂漠化・緑の減少…草地や木の少ない地域で放牧や焼畑を行なう結果、植物が育たなく なり、砂漠のような状態となること。 →Hello
School 中学理科 特別編 砂漠化・緑の減少
海洋汚染…工場廃水や家庭排水により、有害な物質が川や海に流れ込み、その周辺に 住む生活環境に影響を与えること。→Hello School 中学理科 特別編 海洋汚染 |
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5.世界の環境保護 |
1971年、イランのラムサールでラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な 湿地に関する条約)がとり決められ、水鳥が生息する湿地を各国が登録し、国際的な保護 を図った。日本では釧路湿原や琵琶湖などが登録した。
1972年、スウェーデンのストックホルムで「かけがいのない地球(Only
One Earth:オンリー ワン アース)」をキャッチフレーズに国際連合人間環境会議(ストックホルム会議)が開かれ、 人間環境の保全と向上に関し、世界の人々を励まし、導くため共通の見解と原則が必要で あると考え、人間環境宣言を採択した。
1972年、ユネスコ(UNESCO:国連教育科学文化機関)の総会で世界遺産条約がとりきめられ、 各国が重要な文化遺産、自然遺産を登録し、国際的な監視を図った。
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで地球サミット(環境と開発に関する国連会議)が開かれ、 環境と開発に関して各国の首脳レベルで会議が行なわれた。
1997年、京都で地球温暖化防止京都会議が開かれ、地球温暖化の原因となっている二酸化 炭素の量を1990年よりも少なくすることで先進国が合意した。 |
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