■ Hello School 社会科 地理(ハロ地理) No.15日本の工業 ■ 
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1.日本の工業
原材料を加工して、いろいろな製品を生産する産業
工業という。

金属や機械工業などの比較的重いものを生産する
工業を重工業、石油や石炭などを使って生産する
工業を化学工業といい、重工業と化学工業をあわせ
重化学工業という。

比較的軽く、主に消費財を生産する工業を軽工業
いう。

(1)金属工業
 鉄鉱石、銅鉱石、ボーキサイトなどの金属資源から
 鉄、銅、アルミニウムなどを取り出して、板、棒、管、
 線などに精錬・加工する工業。
 鉄鋼業とアルミニウム工業が代表的で、特に鉄の
 生産は世界第2位(1位は中国)。

(2)機械工業
 自動車、船舶、電気機器、工作機械、精密機械な
 ど、鉄などの金属からいろいろな機械を製造する
 工業。
白地図テスト
 日本の工業の生産額の約46%は機械工業であり、製造業の中心になっている。

(3)化学工業
 石油や塩などの原料を科学的に処理して、原料とは異なった製品をつくる工業。
 石油化学工業が代表的で、化学薬品、化学肥料、合成ゴム、合成せんい、プラスチック、石けん
 などがつくられる。
工業種別割合の変化(出荷額)
工業種別割合の変化(従業者数)
(4)食料品工業
 農畜産物、水産物、林産物を加工して、パン、菓子、、乳酸品、ビール、ジュース、調味料、冷凍食品
 などの食料品を生産する工業。醸造業、乳製品工業、缶詰工業などが代表的で、中小規模のものが
 多いが、缶詰、製粉、醸造などには大規模で近代的な工場もある。景気にあまり影響されず、全工業
 の中に占める割合はほぼ一定である。

(5)せんい工業
 綿花、麻、羊毛、ラクダ、石綿などの天然せんいや、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエステル、
 ナイロン、ビニロンなどの化学せんいを加工して、糸や織物を生産する工業。綿織物工業、絹織物
 工業、製糸業が代表的(化学せんいを加工する場合、化学せんい工業となり、化学工業に分類さ
 れる)。戦前は工業の中心であったが、現在ではその地位は低下している。

(6)よう業
 粘土や石などの原料を窯(かま)で焼いて、陶磁器、セメント、ガラスなどを生産する工業。
 ニューセラミックス(金属よりも軽く、プラスチックよりも重く、誘電性・磁性・工学的な面から医療器具
 などに使われる)はここに分類される。

(7)製紙・パルプ工業
 パルプ工業は主に木材のチップ(製材くず)を機械でくだいたり、科学的に加工してせんい質を取り
 出す工業で、紙と化学せんいの中間製品である。このパルプを原料として紙を生産するのが製紙工業
 である。
 
2.日本の工業の変化と現状
明治時代のスローガンの1つである
殖産興業」によって、群馬県の富岡
に、欧米の技術を導入して、官営の
富岡製糸場がつくられた。

1901年、官営の八幡製鉄所が操業
を開始し、これが近代の重工業の発
展の土台となる。

第2次世界大戦までの日本の工業は
せんい工業が中心で、せんい原料を
輸入して、織物製品を生産して輸出す
加工貿易であった。

しかし、第2次世界大戦で工業は壊滅
状態になる。

戦後の復興とともに、工業は再び重化
学工業を中心に発展し、北九州工業
地帯、阪神工業地帯、中京工業地帯、
京浜工業地帯の四大工業地帯
をはじ
いろいろな工業の変化
め、その他の工業地域とともに太平洋ベルトと呼ばれる一連の工業地帯、工業地域を形成する。

石油ショックにより工業は大きな転機をむかえ、燃費のよい自動車や電力をおさえた省エネルギー化に
対応し、日本の技術は世界で高い評価を得ている。
品質の高い日本の工業製品は輸出を増加させ、貿易黒字
も増加し、同時に円高も進み、外国との貿易摩擦を生じさ
せた。
このため、日本の企業は貿易赤字国(特にアメリカ)で現地
生産
を行なったり、賃金の安い国(特にアジア)に工場を移
転させていった。
工場移転は国内の工場の減少を引き起こし、日本の工業
が減少する産業の空洞化とよばれる問題が生じている。
現在では、技術・人材の確保から国内工場に戻ってくる動
きもある。
海外生産比率の変化
日本の工場の99%以上が中小工場(工場で働く人が300人未満)であり、軽工業の工場が多く、
また大工場の関連工場として部品を生産している。
中小工場は設備や技術が不十分で、大工場の影響が受けやすいが、その中でも、高い技術をもち、
大量生産できない製品や他ではつくれないものを生産している工場もある。

円高(円安)
日本のお金の「円」と外国のお金(アメリカの「ドル」)を交換するとき、どのくらいの比率で交換するのか、これを為替レート
という。

為替レートが、1ドル=200円から1ドル=100円になった場合、今まで1ドルの価値のあったアメリカの商品を、100円玉2枚
(200円)で交換していたのが、100円玉1枚で交換できることになる。これは100円玉1枚の価値が上がったことを意味する
ので、
1ドル=200円→1ドル=100円→円高(円の価値が上がった)となる。

円高になると、日本はドルで売られているアメリカの商品を買いやすくなるので、アメリカからの輸入が増える。同時に、
アメリカからすれば、日本の円で売られている商品が買いにくくなるので、日本はアメリカへの輸出が減少する。

円安は円高と反対の現象で、1ドル=100円→1ドル=200円→円安(円の価値が下がった)となる。
日本は輸出が増加し、輸入が減少する。
主な国の工業の変化
大工場と中小工場の割合
標準問題
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