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ばかり |
…限定・程度・数量・時を示し、種々の語に接続する。 |
(1)限定 [〜だけ] さけど、なほ夕顔という名ばかりはをかし。(枕草子・六七段) (それにしても、やはり夕顔という名前だけは面白い。)
(2)程度・数量・時 [〜ほど 〜くらい 〜ころ] 前栽の露こぼるばかりぬれかかりたるも、いとをかし。(枕草子・一三〇段) (庭の植え込みの露が、こぼれ落ちるくらいにぬれているのもとても風情がある。)
三寸ばかりなる人、うつくしうてゐたり。(竹取物語・かぐや姫の生い立ち) (9cmくらいの人が、可愛いらしく座っている。)
八月ばかりなれば、「ちちよ、ちちよ」とはかなげに鳴く、いみじうあはれなり。(枕草子・四三段) (八月ごろになると、「ちちよ、ちちよ」と心細く鳴くのが、とてもあわれである。) | |
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