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…相手・共同者・変化の結果・引用・並立・比較の基準・比喩の関係を示し、 体言・連体形・引用文などに接続する。 |
(1)相手・共同者…動作を共にする相手を示す。 [〜と 〜と一緒に] 同じ心ならん人と、しめやかに物語して、(徒然草・一二段) (同じ気持ちの人と、しんみりと話をして、)
(2)変化の結果…物事の変化の結果を示す。 [〜と 〜に] 古き墳はすかれて田となりぬ。(徒然草・三〇段) (古い墓はすきかえされて田となってしまう。)
(3)引用…語句や文を引用する場合に使われる。 [〜と] 「草子に歌一つ書け」と殿上人に仰せられければ、(枕草子・二三段) (「草子に歌を一首書け」と殿上人におっしゃったので、)
(4)並立…対等の関係を示す。 世の中にある、人とすみかと、またかくのごとし。(方丈記) (このより中に生きている人とそこに住んでいる家は、このようなものである。)
(5)比較の基準…比較する基準を示す。[〜と 〜と比べて] 葉のひろごりざまぞ、うたてこちたけれど、こと木どもとひとしううふべきにあらず。 (枕草子・三七段) ((桐の木の)葉の広がり方は、大げさであるけれども、他の木と同じようには言えない。)
(6)比喩…例えを示す。[〜のように] 笛の音のただ秋風と聞こゆるに、(更級日記) (笛の音がまるで秋風のように哀れに聞こえ、) | |
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