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打消しの推量打消しの意志の意味をもち、特殊型の活用で、活用語の未然形につく。
基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 活用の型
特殊型
 ※已然形「じ」は「こそ」の結びとしてのみ用いられ、用例は室町時代のみ存在する。

(1)打消しの推量…[〜ないだろう・〜まい]
後徳大寺大臣の寝殿に鳶ゐさせとて縄をはられたりけるを、(徒然草・一〇段)
 (後徳大寺の左大臣が寝殿に鳶をとまらせまいと思い、縄をお張りになったのを、)
 
[終止]
御相伝浮ける事には侍らなれども、(徒然草・八八段)
 ((小野道風が書いたという)お受け伝えは根拠のないことではございませぬが、)
[連体]

(2)打消しの意志…[〜ないつもりだ・〜まい]
さらば、ただ心にまかせよ。われはよめとも言はじ。(枕草子・九九段)
 (それならば、もうあなたの気のすむままになさればよい。私は詠めとは言いますまい。)
 
[終止]
わが道ならましかば、かくよそに見侍らものを。(徒然草・一六七段)
 (もし自分の専門分野であったならば、このようにただ見ているだけということはしていないのに。)
[連体]

※人称と「む」「じ」
助動詞「む」の打消しが「じ」であり、人称によって、次のように区別される。
1人称 意志 打消しの意志
2人称 適当・勧誘
3人称 推量 打消しの推量

※「む」「べし」「じ」「まじ」の関係
「む」 −打消し→ 「じ」 (未然形につく)

強調

強調
「べし」 −打消し→ 「まじ」 (終止形につく)
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