べらなり |
知らぬ茸と思すべらに、独り迷うひ給ふなり。(今昔物語・二八−一九) (きっと知らない茸(嶽)と思われたようだ。独りでお迷いなさったのである。) |
[連用] |
桂川わが心にもかよはねどおなじ深さに流るべらなり(土佐日記・二月一六日) (桂川は自分の心に流れて通じ合ったというわけではないが、 私の喜びと同じくらい、桂川も深く水をたたえて流れているようだ。) |
[終止] |
古歌に、「数はたらでぞかへるべかなる」といふ言をおもひ出て、(土佐日記・一月一一日) (昔の歌に、「(雁は)数が足りないままで帰っていくようだ」とある文句を思い出して、) |
[連体] |
春の着る霞の衣ぬきをうすみ山嵐にこそ乱るべらなれ(古今集・春上) (春が着ている霞の衣は、横糸が薄いので山風が吹いてしまうと乱れてしまうそうだ) |
[已然] |