べし |
勝たんと打つべからず、負けじと打つべきなり。(徒然草・一一〇段) (勝とうとして打つのではなく、負けないように打つべきである。) |
[未然] |
ことなるゆゑなくて、たやすく改まるべくもあらねば、(方丈記) (特別な事情もなく、簡単に都移りがあるはずもないので、) |
[連用] |
恐れのなかに恐るべかりけるは、ただ地震なりけり(方丈記) (恐ろしいことの中で恐ろしいことは、ひたすら地震である) |
[連用] |
よき詞を続けたれど、求めたるやうになれぬるをば、また失とすべし。(無名抄) (上手く言葉を並べたのだが、故意に作り上げたようになってしまったのは、失敗といわねばならない。) |
[終止] |
必ず来べき人のもとに車をやりて待つに、(枕草子・二五段) (必ず来るはずの人のもとに牛車をやって待っていると) |
[連体] |
なかなかかかるものの隈にぞ思ひのほかなることもこもるべかめると(源氏物語・明石) (返ってこういう田舎で目立たないところに美人がこもっているはずだと) |
[連体] |
月の影はおなじことなるべければ、人の心もおなじことにやあらん。(土佐日記・一月二十日) ((中国でも日本でも)月の光は同じはずなので、人の心も同じことなのでしょう。) |
[已然] |